結・好きの反対
文章にしたため、公開し何度も誤字を探しに彷徨ったせいで「嫌いな食べ物」の“嫌い”に強く意識が向いている。
その結果、食事にかつてないジャッジが加わった。
“楽しい”か“楽しくない”か。
その観点は食事の雰囲気に置かれているのではなく、文字通り食事そのものを判定する。
筆者が危機感を抱いている一例。白ごはん、味噌汁、おかずという、親しみすぎている構成。
最近対峙していないため、まだ確定したわけではないが。おそらく苦手になった。
「白ごはんの消費」という本線上で繰り広げられる味噌汁とおかずの往来が面倒だと気づいた。おかずだけ食べりゃいいという気持ちが芽生えている。
こんなことを考え始めると、嫌いな食べ物が簡単に増えていく。食パン、目玉焼き、フルーツサンド、etc...
そういったデンジャラスなシーズン。にも関わらず、別筋で大好物が消えた。中華丼。
中華丼を三夜連続で食した挙句、締めに中華料理店で食べてしまった。美味すぎた。それ以来冷凍の中華丼が食べられなくなってしまい、気づけば存在自体が離れてしまった。
終いには何にも食べなくなってしまうのでは…と苦悶の表情で7-11へ入店すると、そこには新たな出会いがあった。「はっさく&レモン」、全農による、全私が求めていた爽やかな味。レモンサワーとアイス、夏を共にしたい二人がそこにはいた。金銭と交換に、手に入れた愛おしいものたち。撫でまわしながら帰宅した。案の定、めちゃくちゃ美味かった。
多量を失い、手に入れたのはたった二つの好物。この先どれほどが消えていくのか。
久しぶりに体重を測ると、四千グラムほど減っていた。食そのものに対する関心の薄れが如実に現れている。
終わらないこの物語に一旦の別れを。好きな食べ物ってなかなか増えない。