活動するゴジラ

インターネットです。

暴力的入浴

ムカムカする。理由もなく苛立って、あ〜何かにぶつけてえ〜!って玄関をバイクで突き破ることがあるんですけど。

嘘です。何にも当たらずこうやってキーボードをポチポチしています。私はこれで収まるんだけど、どうしてもそうじゃないひともいると思うので、さっき思いついた発散方法を書いておきます。

まず、お風呂に入ろう。物理的に綺麗になろう。身体の掃除は結構爽快感あると思うのよ。

ちょっと待って。まだ脱がないで。脱いでたら履いて。脱ぐ前に唱えて欲しい言葉がある。

「暴力的入浴を始めます」

語尾も唱え方も自由。始めヤンス!って背中で語ってもいい。この“暴力的”を自称することで、何かが溶けます。固形のイライラを液体にしよう。

そして、脱ぐ。服が勿体なかったら千切らなくてOK。でも、心の中でいちいち「暴力的だ…!」と感動してみよう。Tシャツを脱ぐ、暴力的に。チャックを下ろす、暴力的に。パンツを弾く。これはちょっと難しいかな。

さぁ、浴室のドアを引いて。入場です。シャワーを出してみて。うわぁ、すごいね。暴力的な水だよ。まだ冷たかったかな。お、ちょっとあったかくなってきたね。ここは素直に「あったけ〜」って呟いても大丈夫。まだ暴力的だよ。

髪洗おうか。暴力的にお湯で髪を濯ぐと、暴力的な泡立ちを得られるからね。さ、そろそろシャンプーを出して。ここでの宛先は頭皮じゃないよ、泡だ。これでもかというほど泡立てやろう。クラシエもびっくりの泡立ち。

目に入ってくる前に流してしまおう。わあ、凄いよ。見て、泡が暴力的に流れていくね。あんまりまじまじと見ることないよね。

物足りねえな、もっとだ。そう呟いたら、コンディショナーをちょうどよくつけて、流そうね。首元とか残ってるとニキビになっちゃうから。暴力的に流そう。

次何しよう。顔洗おうか。でも、今日はお湯だけでもいいかもね。手のひらにお湯を溜めてごらん。せーの!暴力的だ…!いいよ。その調子で、あとは輪郭までやっちまいな!ゴジゴシは駄目だよ、邪道だ。正々堂々とお湯で戦うんだよ。

さぁ、もう終盤だよ。石鹸だって、ボディソープだって、何だっていい。暴力的な泡を生み出そう。さっき言っただろう。ゴジゴシは駄目だよ。何回だって言ってあげるから、正統派で居てくれ。隅々まで洗い尽くしてやるんだ、その暴力的な泡で。

気は済んだかい?もう泡なんて用済みだって?そうか、じゃあ流す。鉄則だよ。泡立てて、流す。レバーをひねって。さっきまで丁寧に立てた泡を、暴力的に流すんだ。一人残さず。油断するな。脇にだって、背中にだって、誰も残すんじゃないよ。

暴力的に清潔。人々は君を讃えるだろう。君は今、いちばん綺麗だ。

ドアを引いて、暴力的に水分を拭き取るんだ。髪もね。あ、またやったな。ゴジゴシはダサいって言っただろう。ポン、ポンだよ。水を、押しつぶせ。

身体から湯気が立っているね?それはさっきまで、お風呂場で暴力的になった君を苦しめていたものたちだよ。そう、気体になったんだ。身体から離れていく。イライラは旅立つ。また戻ってきたら、何回だって唱えればいいんだ。

服を着て、やることやって、気持ちよく寝よう。もう暴力的にしなくていい。好きなように眠ればいいよ。

 

中盤あたりでちょっと飽きてしまいました。私はもうイライラしてないけど、イライラさせる語調になっちゃったかもしれない。ごめんなさい。