活動するゴジラ

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カーペットの裏

ねばねば丼」という言葉を数回目にしたことがある。飯の上にまぐろ、おくら、納豆、とろろ、アボカド、生卵などが載っている。

こわい。食材中のネバネバを集めて、わざわざ一緒に食べている。糸を引くあのネバネバは、ひとつあるだけで他の食材も全てネバネバさせてしまうのに、ネバネバとネバネバを掛け合わせている。こわい。ネバネバが好きだからという理由だけでは収まらない狂気の沙汰。好きだから敏感、という概念をぶち破り、好きこそ鈍感。

「ねばねば」というネーミングのせいで、この狂気に霧がかかっているのではないか。「にとにと丼」「ねちょねちょ丼」「ぬぱぬぱ丼」これらを避けて「ねばねば」という言葉に定着しているあたり、明らかな意思を感じる。国民の生活にこの狂気を何とかして取り入れてやろう、という。

ネバネバはそもそも味ではなく、食感を指している。感触どんぶり。「かさかさ丼」「しゃばしゃば丼」も存在しそうだが、未だ出会ったことがない。

なぜネバネバだけが市民権を得ているのか。ネーミングの点で触れた通り、何者かの意思、それも巨大な組織による策略を感じる。社会を裏で牛耳っている組織の長がネバネバ狂いで、あらゆる場所で気軽に食べたいという思いで飲食チェーンに圧力をかけたのか。もしかして、私は今とんでもないことをブログにしたためているのではないだろうか。この辺でやめておく。まだ生きていたい。

ここまでの書き方だと、私はネバネバを嫌っていると誤解されてしまうかもしれない。そうではないのだ。ネバネバ狂いたちの健康を心配している。たまたま彼らの矛先が食材にとどまっているだけで、もしかしたらこの先、それに飽き足らず他分野に手が伸びる未来が訪れるかもしれない。間違っても白米にぺぺローションを載せて食べるんじゃないぞ。